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自分に合った収納法を見つけよう。利き脳を使った収納術

忙しくて片づけられない、収納スペースが少ない…など、片づけられない理由は人それぞれ。でも、それだけではなく、収納方法があなたに合っていないのかも。自分に合った方法は、どうやって見つけるのでしょうか?収納のプロ「ライフオーガナイザー®(※)」の高山一子さんは、「『利き脳』を知ることで、自分に適した収納方法を見つけるヒントがわかる」と話されます。具体的に教えていただきました。

(※)「ライフオーガナイザー®」とは、もとはアメリカで生まれた片づけのプロである「プロフェッショナル・オーガナイザー」の手法をもとに日本で新しく誕生した職業です。

「利き脳」で自分の得意分野を知る

自分に合った収納方法を知る手がかりとして、まずは「利き脳」を知ることから始めます。「利き脳」とは、利き手と同じように無意識に優位に使う脳タイプのことです。

指組みと腕組みをして、「利き脳」をチェックしてみましょう。

指組み(インプット脳)
指を組んで親指の位置をチェックします。

右親指が下→「右脳タイプ」 左親指が下→「左脳タイプ」

 

腕組み(アウトプット脳)
腕を組んだ時の腕の位置をチェックします。

右腕が下(体に近い)→「右脳タイプ」 左腕が下(体に近い)→「左脳タイプ」

 

指組みで、情報を取り入れる時に使う「インプット脳」を知ることができ、さらに、腕組みでは、情報を言葉や行動で表す「アウトプット脳」がわかると言われています。

片づけに当てはめると、「インプット脳」は、ものを探す時、「アウトプット脳」は、ものを収納場所に戻す時です。それぞれの傾向がわかると「探しやすい」「戻しやすい」方法が見つかります。

利き脳タイプ別の特徴と片づけ方法

右・右脳タイプ
指組み(インプット脳):右脳タイプ/腕組み(アウトプット脳):右脳タイプ

ッと出して、パッと戻せる収納がおすすめ

直観力にすぐれ、すぐに行動に移すことができます。興味がないと持続しなかったり、気分に流されやすく衝動的に行動してしまう面も。

モノの位置を感覚的に把握することが得意です。しかし、元に戻すことが苦手なので、パッと出して、パッと戻せる収納や、ざっくりとした収納がおすすめです。見た目がイメージ通りだとやる気がでます。

右・右脳タイプの片づけポイント
直感的に捉え、感覚的に処理するタイプ
・見えないと忘れてしまうので、一目見て分かるようにする
・アクション数を減らしてすぐに出して片づけられる収納に
・色や素材別に分けると元に戻しやすくなる

 

右・左脳タイプ
指組み(インプット脳):右脳タイプ/腕組み(アウトプット脳):左脳タイプ

ビジュアル重視でお店のような見せる収納がおすすめ
自分の理想をしっかりと持っていて、実現に向けて頑張れます。デザインセンスがある人です。自信のないことには消極的で、行動に移せないことがあります。

片づけでは、カタチから入り、収納用品から揃えてしまいます。ビジュアル重視で、美しさだけでなく機能面も満たしたい完璧主義な面があります。コツコツと片づけることが苦手で、一足飛びに行動を起こしがちです。

右・左脳タイプの片づけポイント
直感的に捉え、論理的に処理するタイプ
・ビジュアル重視で色や収納用品を揃える
・細かく仕切りながらざっくり収納がおすすめ
・見える場所はビジュアル重視で、見えないところはざっくりした収納に

 

左・左脳タイプ
指組み(インプット脳):左脳タイプ/腕組み(アウトプット脳):左脳タイプ

機能性重視で、使うモノを使う場所の近くに収納
計画を立てて、着実にこなすことが得意。考えすぎて慎重な面もあります。計算式などの文字情報に強く、デザインよりも機能性と合理性を優先する傾向があります。

一般的な片づけが得意なタイプ。片付けも優先順位が下がるとやらないので、すべき理由を見つけて取りかかるとよいです。ラベルでの管理や細かく仕切ったキチンとした収納が得意です。空間認識がないため、フリーな空間が苦手です。使用頻度でモノを分けるのが得意なタイプです。

左・左脳タイプの片づけポイント
論理的に捉え、論理的に処理するタイプ
・機能性や使用頻度に応じた分け方を
・細かく仕切られた隠す収納がおすすめ
・ラベル管理をするとモノを元に戻しやすくなる

 

左・右脳タイプ
指組み(インプット脳):左脳タイプ/腕組み(アウトプット脳):右脳タイプ

カンタンにもとに戻せる、ざっくり収納がおすすめ
物事を論理的に捉えることを好むので、学ぶことや情報収集をしっかりします。しかし、それをなかなか行動に移せないので、理想と行動に悩むことも。何事もハードルを下げることが大切です。

一般的なやり方より、収納は、マイルールを見つけることで、うまくいきます。探す時にはラベリングが必要な人もいます。見えないものは、忘れてしまいがちなので吊るす収納など簡単なアクションの収納が向いています。

左・右脳タイプの片づけポイント
論理的に捉え、感覚的に処理するタイプ
・自分が納得する方法を見つけることが大切
・細かい分類は苦手なのでざっくり収納がおすすめ
・見た目より使い勝手を優先する

 

利き脳を知ることで、自分が得意とすることや片づけの傾向がわかるので、脳タイプ別の片づけ方法を取り入れることで、片づけがラクになります。アウトプットの利き脳は、職業や環境によって変わることもあるので、ほかの脳タイプも参考に、自分に合った収納方法を見つけたいですね。

――次回は、利き脳別おすすめのキッチン収納についてご紹介いたします。

 

参考書籍:
「利き脳片付け術」日本ライフオーガナイザー協会 代表理事 髙原真由美/著(小学館)
 「ライフオーガナイズの教科書」日本ライフオーガナイザー協会監修(主婦の友社)

 「利き脳片づけ術」は、坂野登京都大学名誉教授の「しぐさ利き脳理論」をベースに一般社団法人日本ライフオーガナイザー協会が片づけに応用しまとめた、行動やくせを知るためのライフオーガナイズの手法の一つです。

取材協力
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Profile
高山一子さん
一般社団法人日本ライフオーガナイザー協会 同協会認定講師、協会認定トレーナーとして活動するとともにワーキングマザーとしての経験を活かして個人宅を中心にオーガナイズ(整理収納)サービス、収納や片づけの各種セミナーの講師として活動。「株式会社SMART STORAGE」 HP:https://smartstorage.jp/