額装に挑戦!好きな写真や大切な物をもっと素敵に
額装職人の向井理依子さんに自宅でできる額縁を使った額装を教えてもらいました。写真や絵を飾る時、額にそのまま入れて飾るのもいいですが、ひと工夫することで、グンと作品の価値が上がります。
フランス額装の基本技術
フランス額装では、作品のまわりの「マット」と呼ばれる部分を装飾する技術が何十通りもあります。マットに水彩で色付けをしたり、マットの厚紙部分をカットして装飾するなど、組み合わせることでさまざまなデザインの額装ができます。
自宅で額装に挑戦
用意するもの
・額縁
・マット部分の台紙(1ミリの厚紙など)、額に入るサイズのものを用意
・マットを飾る色紙(和紙など)
※初めての方は、あまり薄い紙を使うとシワになって難しいので厚みのあるものがおすすめ
・水で薄めた木工用ボンド
・ボンドを塗るための刷毛
※今回はトールペイントの時に絵の具を塗るスポンジブラシを使用。なければボンドを薄く均等に塗れるものであればOK
・筆
※刷毛で塗れない部分を塗るためのもの
・定規、メジャー
・シャープペンシル
・カッター
・ヘラ(なくても可)
・マスキングテープ(額装用テープ)
1)
作品の見せたいサイズ(窓)を決めて、マット(台紙)の中心に窓を開ける。窓のサイズは、ポストカード(作品)の大きさより数ミリ小さめに。【上手にできるコツ】窓の位置は、マットの中心より数ミリ上にするとバランスよく見える。
2)
マットに窓の大きさを記入。ポストカードを当ててみて、窓のサイズがポストカードより小さくなっているか確認してから、切り取る。【上手にできるコツ】カッターは、一度に力を入れて切るのではなく、丁寧にラインを数回なぞって切るとキレイに切れる。
3)
マットに、マットのサイズより少し大きめの色紙を貼る。刷毛にしっかりとボンドを含ませて、マットにむらなく全面に均等に塗る。【上手にできるコツ】ボンドを塗るときは、下によごれてもいい紙などを引いて。塗るのはマットの方に。ボンドは、塗り残しやダマがあるとシワになるので注意。
4)
色紙を置いたら、内側から外に素早く伸ばす。色紙が水分を吸うとシワになりやすいので、素早く。
5)
指の腹で、折り目に型を付ける。マットの外側をちょうどのところで切り落とす。
6)
窓の部分は、窓の1.5センチ内側を切り、コーナーを45度にカットする。
7)
窓の部分の色紙をヘラで巻き込む。ヘラがない場合は、手でしっかりと抑える。
8)
折り曲げた紙ののりしろ部分をマットに記入し、マット部分に筆でボンドを塗る。塗り残しがないように端まで。
9)
ヘラや手で浮かないように抑えながら、コーナー部分もキレイに整える。
10)
窓にあわせてポストカードを配置し、マスキングテープで、ポストカードの上1か所をマットに留める。【上手にできるコツ】大きい作品でも小さい作品でも、飾っている時に、作品が環境の変化に対応できるように、マスキングテープを留めるのは一か所だけにする。
11)
額縁に入れて完成。今回教えていただいたのは、既存の額縁を使って額装する方法ですが、額の種類やマットのサイズ、色、素材によって、雰囲気が変わるので、いろいろチャレンジしてみてください。
フランス額装には、額縁を使わずまわりを紙で仕上げるテクニックがある。同じ作品でも額装方法によって雰囲気が違うものになる。
額装職人。額装を学ぶために2001年に渡仏し、額装の学校で学びながら、額装店で修業、フランスの額装家の国家資格を取得する。帰国後は、額装会社に勤務し技術とともに提案力を磨く。独立後は、 芦屋にアトリエを構え、個展や注文制作、額装教室を開いている。
「art d'encadrement(アールダンカードルモン)」 http://encadrement.jp/