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うつわ使いで食事の時間を豊かに

うつわ記事1のサムネイル画像

自宅で食事をすることが増えたので、うつわにもこだわってみたいけど、どんなものを買えばいいのか分からない…という声が聞かれるようになりました。
そこで、どうすれば見栄えよく、美味しそうに料理の盛りつけができるのか、東京・赤坂にある「手仕事によるうつわと食の道具を取り扱うギャラリー『UTSUWA KESHIKI(うつわけしき)』」の店主、安野久美子さんにお話を伺いました。

家時間が多くなり、「食」にこだわる人が増えてきた

うつわけしきの店内画像
最近は自宅で料理を楽しむ人が増えたことで、うつわにこだわる人が多くなった、と安野さん。「食事って毎日欠かせないものだから、同じうつわを使っていると、なんだか物足りなさを感じてしまい、ちょっと食器を見直してみよう!と考える方が増えてきたようです。最近は一人暮らしの若い男性でも買いに来てくれますね。料理を作らなくても、お惣菜を買ってパックのままで食べるより、やっぱりうつわに移した方がおいしそうだし、豊かに感じますよね」。

もともと料理を作るのが好きだったけれど、うつわには興味がなく、洋食器に和食を盛っていた安野さん。たまたま入ったお店で豆皿が目に入り、初めて作家のうつわを購入されたと言います。さっそくお漬物をのせてみたところ、いつもと違って見えたのだとか。そこから、うつわに目覚め、ギャラリーや作家さんの個展に通うようになりました。

マンションの1室から始めたギャラリー

UTSUWA KESHIKIの安野久美子氏の画像

ギャラリーを始められたのは、ご家族の勧めから。もともと書籍関係のグラフィックデザインをされていた安野さん。接客業は初めてだったと言います。それでもご家族の強い勧めにより、小さなマンションの一室からギャラリーをスタートされました。2020年に現在のギャラリーに移転されています。

2021年で4年目を迎える「UTSUWA KESHIKI」。オープンした当初から、作家の個展では完全予約制にしています。ギャラリーとしては珍しく、当初は反対の声もあったのですが、「予約制にすれば、遠いところから来店していただいたのに、いっぱいで入れなかったり、待ち時間があったりしたら申し訳ないと思って。予約制にすることで安心して来店してもらえると思ったんです」と安野さん。
結果、「個展の初日でもゆっくり見ていただき、作家さんともお話しできるので、お客様には満足していただいていると思います」。

使う人のことを考えて作られた作家のうつわ

作家のうつわの画像
作家のうつわとは、他のうつわと何が違うのでしょうか。
一般的に売られている食器は、サイズや形を揃え、同じ品質になるように作られています。並べたり、重ねたとき、ほとんどズレがありません。
作家のうつわは一つひとつ手作りで作られているため、形や釉薬(ゆうやく)のかかり方、色合いなどが異なり、同じものはできません。

安野さんは「作家さんのうつわの良さは、使う人のことを考えて作っているところです。こういう風に使って欲しいな、こんな料理をのせて欲しいなと考えながら作っているので、盛りつけやすいうつわになっています。だからこそ、作家さんのうつわなら自分の理想に合ったものが見つかるのではないでしょうか」

うつわ選びは洋服と一緒「今日の気分でうつわを選ぶ」

うつわの利用シーン
どんなうつわを選んだらいいかわからない…という方には、洋服選びと一緒だとアドバイスされます。
「うつわは、洋食、和食など料理によって使い分けるので、シーンや気分に合わせて洋服を選ぶようなイメージです。同じ料理でもうつわひとつで雰囲気が変わります。今日はこの料理にこのうつわを合わせてみようとか、洋服を選ぶように楽しんでもらえたら」。
秋はブラウン系、夏は白っぽいうつわとか、季節によって選ぶのも楽しいそうですね。

次回は、うつわの基本についてご紹介します。

取材協力
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Profile
安野久美子さん
手仕事によるうつわと食の道具を取り扱うギャラリー「UTSUWA KESHIKI」店主。モデル活動を経てデザイン事務所に勤務、グラフィック/エディトリアルデザインを手掛ける。2018年5月「UTSUWA KESHIKI」を東京・赤坂にオープン。2020年に「うつわ使いがもっと楽しくなる本。」を出版。
https://www.utsuwa-keshiki.net/