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暮らしを彩るうつわ使い

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友人とお茶を楽しむ、仕事の合間の休憩タイム、休日の朝食…うつわを楽しむシーンはたくさんあります。シーンに合わせてどんな風にうつわを使えばいいのか、使い方と盛りつけのコツを東京・赤坂のうつわギャラリー「UTSUWA KESHIKI(うつわけしき)」の店主、安野久美子さんに教えていただきました。

シーンに合わせたうつわ

陶磁器が焼き上がったときに見せる表情のことを「景色」と呼びますが、うつわに料理を盛りつけ、食卓に並べ、食事をする風景を安野さんは「景色」と考えています。友人が訪ねてきたとき、一人で夕食を食べるとき…さまざまなうつわのある景色を紹介します。

友人とお茶を楽しむ

友人とお茶を楽しむイメージ
《京都・高田志保さんのお皿と奈良・高島大樹さんのカップを合わせて》
友人が遊びに来た時は、ゆっくりお茶をしながら話をしたいですよね。ケーキ皿とカップの作家が違っても、トーンが統一されていると、まとまった印象になります。

のんびりブランチ

のんびりブランチのイメージ
《奈良・高島大樹さんのオーバル皿と大阪・はしもとさちえさんのそば猪口で》
予定がない日は、のんびりブランチ。パンとサラダをワンプレートにすることで、オシャレに見えるし、洗い物も少なくなって一石二鳥。スープはそば猪口がピッタリです。

特別な日のランチ

特別な日のランチのイメージ
《信楽の山本雅則さんのしのぎリム皿と大阪・su-nao homeさんの小鉢、徳島・中西申幸さんの豆皿》
しっかりお昼ご飯を食べたい時は、たっぷり具材のバターカレーをしのぎのお皿に盛りつけて。副菜をのせた小鉢と小皿を一緒にトレーに乗せると全体がまとまります。

気楽に一人夕食

気楽に一人夕食のイメージ
《丹波・市野吉記さんのお皿を使って》
八角形のお皿はワンプレートにも便利。やさしい色合いのお皿は和風にも洋風にも合わせやすい。酢の物や煮物などバラつきやすいおかずは、小鉢に入れると収まりが良くなります。

おやつタイム

おやつタイムのイメージ

《京都・高田志保さんの急須と信楽・藤原純さんの湯飲み。大福は土岐・加藤祥孝さんの豆皿にのせて。トレーは、静岡・岩崎翔さんのもの》

おやつタイムのイメージ
《京都・高田志保さんの板皿と土岐・額賀(ぬかが)円也さんの湯飲みの組み合わせ》
板皿の上に湯呑をのせて、ワンプレートに。同じ和菓子でもうつわが変わると印象が変わります。

料理に合わせた、うつわが欲しくなる

料理に合わせた、うつわのイメージ
毎日料理をしていると「これに合うお皿が欲しいという瞬間が出てくる」と、安野さん。「冷奴を例に取ると、ある家庭では薬味をたっぷり乗せる、別の家庭では塩をかけるだけなど、食べ方が異なることがあります。薬味をたっぷり乗せる場合は少し深めの小鉢、塩だけならシンプルなお皿でいいですよね。冷奴のお皿ひとつとってもご家庭によって、欲しいと思ううつわが違ってきます。自分のイメージするうつわを見つける作業は楽しいですよ」。

一期一会を楽しむ作家のうつわ

「UTSUWA KESHIKI」店主の安野久美子さん
安野さんは、個展をする前にはかならず作家の工房に足を運びます。時には、オリジナルのうつわの依頼をするなど、作家と一緒になって商品を作ることもあります。
「作家さんのうつわは、敷居が高いと言われます。確かに、身近に作家のうつわを扱うようなギャラリーやお店は少ないかもしれませんが、もし見つけたらぜひ手に取って見てください。作家のうつわは、同じものを作ったとしても全く同じものはできません。すべてが一点もの。だから一期一会を楽しんでもらえたらいいなと思います。うつわにこだわることで、大切な時間がより豊かな時間になれば嬉しいです」。

気負うことなく作家のうつわを使って、食事やお茶の時間をもっと楽しいものにできるといいですね。

取材協力
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Profile
安野久美子さん
手仕事によるうつわと食の道具を取り扱うギャラリー「UTSUWA KESHIKI」店主。モデル活動を経てデザイン事務所に勤務、グラフィック/エディトリアルデザインを手掛ける。2018年5月「UTSUWA KESHIKI」を東京・赤坂にオープン。2020年に「うつわ使いがもっと楽しくなる本。」を出版。
https://www.utsuwa-keshiki.net/