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第1回 自宅に好きなモノを飾る暮らし

リビングルーム

「自宅の小さな『飾り』が季節感を感じさせてくれたり、好きなモノを飾ることで心地いい空間になる」と話されるのは、ディスプレイデザイナーであり、インテリアスタイリストでもある、みつまともこさん。『飾り』を自宅に取り入れる方法についてみつまさんに伺いました。

好きなモノを飾って楽しむ生活

学生時代は美術大学でグラフィックデザインを学んでいたみつまさんですが、就職の際、以前から興味があったディスプレイの仕事に就くことに。ディスプレイは、店舗のショーウインドーにおすすめの商品などを展示する仕事です。
仕事では商品の宣伝のためにディスプレイをしていましたが、自宅でも、自分の好きなものを飾るためにディスプレイを楽しんでいました。

みつまともこ氏
自宅で飾りを楽しんでいるうちに、小さな自宅の『飾り』も、お店の宣伝目的の「ディスプレイ」も同じ意味や効果があることに気が付きました。
お店のディスプレイは、季節・行事に合わせてその時期の商品をアピールします。お店の内装全体が変わっていなくても、ディスプレイだけを変えることでガラッと雰囲気を変えることができるのです。
例えば、クリスマス前、街中がクリスマスのディスプレイになっていたら、ワクワクしますよね。同じように自宅でも季節のものを取り入れることで、季節感を楽しむことができます。
また、ディスプレイの効果を暮らしに取り入れることで、部屋の内装が変わっていなくても、自然と新鮮でよいイメージを持たせることができると、みつまさん。
「自宅でディスプレイをする場所は、広さよりも、その場所が目に入るかどうかが重要です。家に入って一番に目に入る場所にあるといいですね」。

飾り棚は一番目に入るところにつくる

飾り棚
「数年前にコーポラティブハウス※に引っ越すことになりました。全くのスケルトン状態で、間取りから自分たちで考えたので大変でした」。
その中でこだわったのは、飾り棚を作ることでした。飾り棚を考えるときのポイントは、リビングに入って最初に目に入る場所。入って対角線となるフォーカルポイント(視線がもっとも集まるところ)に4段の棚を作ることにしました。

※入居希望者が集まって、共同で建築する集合住宅のこと

ピクチャーレール
もう1つこだわったのは、ピクチャーレールを付けたこと。壁に何かを飾りたい時にはピクチャーレールがあると、額縁やスワッグなどを飾ることができるので便利です。
壁に飾ると空間に立体感を出すことができます。ディスプレイの仕事でも空間の飾りはすごく大事で、吊るすことができるとアレンジの幅が広がります。

部屋はシンプルに、モノを極力置かない

部屋をシンプルにする
飾る時にもっとも大切だと思うのは、部屋をシンプルにすること。モノが多いとせっかく飾っても埋もれてしまいます。
引っ越しの際、できるだけ表にモノを出さないよう、収納にこだわりました。何を持っているか全部出して確認をして、例えばキッチンの引き出しは、マグカップの高さを計り、ちょうど入るサイズで作りました。

キッチンの引き出し
新築時に収納をしっかり考えておくことで、モノで散らからず、部屋をシンプルに保つことができます。
新しい家は窓が多くて棚などの家具が置けないこともあり、モノはすべて収納できるように考えました。

収納グッズ
収納グッズを買うこともあると思いますが、半透明の収納ケースは注意が必要です。いかにも「収納ケース」にしか見えない場合もあるからです。見えるところに置く収納は、ちょっと奮発して良いものを購入してもいいと思います。作家さんが作った家具にするとか、北欧のカゴにするとか、収納グッズも家具を買う感覚で購入されるといいと思います。それだけでグッとオシャレな空間になります。

飾り棚がなければ、作ればいい

スツール
飾る場所がないから飾れないと考える方も多いのですが、飾る場所は自分で作ればいいのです。例えば、リビングに入ってすぐのコーナーにスツールを置き、布を敷いたら小さなテーブルのようになります。こうした場合は、生活の動線上で自然と目に入る場所を意識して考えるといいですね。

スツール
スツール

目がいくポイントを作ってスッキリ見せる

みつまともこ氏
「最近は、モノを減らしてシンプルに暮らしている方が多くなりました。そういう空間こそ飾って楽しんで欲しいと思います。モノを飾るとゴチャゴチャすると考えがちですが、飾っている場所に目がいくので、逆に空間がスッキリ見える効果があります。
飾るということは、決してモノを増やすことではありません。厳選して好きなモノを飾ることを心掛けていただきたいと思います」。

取材協力
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Profile
みつまともこさん
ディスプレイデザイナー・インテリアスタイリスト。広告代理店を経て、株式会社サザビー(現株式会社サザビーリーグ)に入社。衣食住にまつわるブランドのウインドーディスプレイ、ショップデコレーション、撮影のスタイリングなどを手掛ける。独立後は、イベントやショップなどのディスプレイデザイン、雑誌、書籍などで家を飾ったり、快適にするためのアイデアを紹介している。

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