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第2回 新築の収納計画「片づけられない原因と解決法を知る」

新築住宅の収納計画のイメージ

第1回では、新築の設計段階で、収納も一緒に考える必要があること、片付けのしくみづくりについて紹介しました。
今回は、さまざまな片づけられない原因と解決方法から、自分の片づけられない原因を見つけ、新築の収納計画に生かす方法をご紹介します。
年間100件以上の片づけのサポートをされている収納のプロ高山一子さんに教えていただきました。

片づけがうまくできないことには理由がある

片づけができない原因は何でしょう?ほとんどの場合、原因はひとつではありません。さまざまな要因が重なってできなくなるのです。
片づけやすい家づくりを計画する際は、まず原因を見つけることが大切です。原因をひとつでも多く無くしていくことで、片づけがしやすい家になります。

片づかない原因から考える

【原因①】 モノが多い
【解決法】 必要なモノの量を決め、それ以上は増やさない

 

新築住宅の収納計画のイメージ1
モノが多いと片づけが大変。まずはモノを減らすことが大切です。自分たちに必要なモノの量を把握し収納量を決めてしまえば、新築する際にムダな収納を作る必要もありません。

また、モノが多い理由もさまざまです。食品などの在庫管理ができなくて同じものばかり購入してしまう方は、在庫が視覚化できる壁面収納やパントリーを作る。

衣類が多い方は、新築時にクローゼットを必要な量が収納できる大きさでつくり、新しく衣類を購入したら古いものを捨てるなどの対応を。

買い物が好きで、ついつい買ってしまう方は、自分たちがどんなモノを買ってしまう傾向があるのかを把握した上で、収納できる場所をあらかじめ確保しておくことがおすすめです。

 

【原因②】 今の間取りが自分たちのライフスタイルに合っていない
【解決法】 家族の動きをイメージし、どの部屋に何が必要か図面に書き出す

 

現在の住まいで物置きになっている部屋がある方、リビングが家族のモノで溢れている方は、間取りが家族のライフスタイルに合っていない可能性があります。

住まいづくりでは、部屋の使用目的を考えて、誰が使うか何をどこに収めるかをイメージすることが大切です。

例えば、あちこちに衣類が散らかっている場合は、ふだん衣類を脱いだり着たりする場所と収納する場所を近づけるように計画します。新しい住まいの図面を用意し、家族がどのような動きをするかしっかりとイメージします。

誰がどの部屋で何をするか、何をどこに置いたらいいかを図面に書き出すことで、間取りの決定や収納計画の方向性が見えてきます。

■どの部屋に何が必要か書き出し視覚化する
新築住宅の収納計画のイメージ2

新築住宅の収納計画のイメージ3

 

【原因③】 収納グッズの選び方が間違っている
【解決法】 収納グッズを先に買わない。何をどのくらい収納するか見極めてから購入する

 

新築住宅の収納計画のイメージ4
収納グッズはあっても、中は空っぽ。あるいは、収納グッズからモノが溢れていたり、さまざまなカテゴリーのモノを一緒にして入れている。そんな方は収納グッズの選び方や収納方法が自分に合っていない可能性があります。

モノが増えて収まらないからとカラーボックスや100円均一の収納グッズをとりあえず買ってしまうことが多い方は、何をどのぐらいの量を収める必要があるか見極めてから収納グッズを購入することをオススメします。

 

【原因④】 もとの場所に戻せず、出しっ放しになりがち
【解決法】 自分が片づけやすい方法を見つける

 

新築住宅の収納計画のイメージ5
片づけられず、出しっ放しになっている場合、収納方法を見直す必要があります。
つい後回しにしてしまう方は、一時置きエリアや出したままでも気にならない収納エリアを作ると上手くいきます。

また、引き出し収納が片づけやすいか、オープン収納にBOXを置いて投げ込める方が片づけやすいか、できるだけ簡単に収納できるように、自分に合った収納方法を見つけることがポイントです。

自分に合う収納の仕方を見つける方法をご紹介しています。
自分にあった収納方法を見つけよう。利き脳を使った収納術

 

【原因⑤】 家族によって「大切なモノ」が違う
【解決法】 家族の価値観やこだわりを知ることで片づける場所や方法が決まる

 

新築住宅の収納計画のイメージ6
価値観は、家族でも異なることが多いもの。片づけに関しても同様です。
例えば、一度着た服を洗うタイミング。クローゼットに戻したい人もいれば、すぐに洗いたい人もいます。
キッチンなら、洗剤などのお掃除グッズと調理器具を一緒に入れることに抵抗がある人、ない人など価値観はさまざまです。

家族の価値観やこだわりを知ることで、収める場所や必要な収納スペースが決まります。

新築住宅の収納計画のイメージ7
「新築したら生活が改善する」「新しい家なら片づけやすくなる」と思っている方がいらっしゃいます。しかし、新しい家になったからといって、片づけられるわけではありません。

片づけけられない原因を一つずつ見直し、その上で収納計画を立てることが大切です。
マイホームの新築は、現在の暮らしをリセットできる大きなチャンスです。現在の暮らしの問題点をしっかりと解決することできっと理想の家を手に入れることができます。

第3回は、動線を考えたレイアウトで片づけをスムーズにする方法をご紹介します。

取材協力
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Profile
高山一子さん
SMART-WORKS主宰
収納コンサルタント/ライフオーガナイザー
一般社団法人日本ライフオーガナイザー協会認定トレーナーとして活動するとともに、片づけ収納サービス、新築・リフォーム時の収納コンサルティング、収納や片付けの各種セミナー講師として活動。